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プロにタダでモノを頼んじゃイケナイとかいう謎の風潮について

プロにタダでモノを頼むなんて、という人がいる。

プロはプロとして、それで飯を食ってるからタダで頼むのはおこがましい、という理論らしい。

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自分自身、技術のプロとして飯を食っていて、制作もやりつつ、先生みたいな仕事もしているが、どうもこの辺の認識がぱっとしない。

確かに唐突にタダの仕事を依頼されてムッと来る事もあるにはあるが、 それがイケナイことだとは流石に思わないし、馬鹿だの何だのと罵るのはいかがなものかと思うのです。

プロがタダで働く時

ちょっと違う方向で困った事がある。

美容師さんとかマッサージ師さんとかお水の人とか、そういうオシゴトの人と仲良くなった時に「仕事じゃないからタダでいいよ」と言われるケース。

プロだから金を払わなきゃ、と思いつつも払わなくていいと言われると何かと困ってしまう。

まぁそういう時にはお詫びにとなんやらのプレゼントが入り、またそのお返しに…と善意の無限ループが続いたりとかするわけなんだけど、

ぶっちゃけ、そういう本職の人から「タダ」でのサービスを受けるときは嬉しい。

でもそれは高品質なサービスを受けれた事による嬉しさじゃない。単純に人間関係としての進展の楽しさ。

プロだから金払えを地で行けば、キャバ嬢なんかと結婚した日には、晩酌の度に代金払わにゃアカンくなる。それは流石に辛いと思う。

プロがタダでやるからこそ素晴らしいもの

そしてプロが金取らずにやるからこそ素晴らしい物もある。

ITの世界におけるOSSやコミュニティの精神文化なんかはそのたぐいだと思う。

昔知り合いが「なんでITの勉強会は無償参加なの?」って聞かれた時に 「ITが社会を変えていくために無料でスキルアップ出来る環境が必要なんだ」って答えていたのを聞いてほぇ〜っとなった。

芸術家の趣味の作品とかには、オシゴトの作品にはない別の魅力があったりする。

「いい?」と聞いて「お店的には駄目なんだけどね…」って言葉が返ってきて、心踊った人も多いと思う。

「プロにはお金を支払うべき」というのはおよそ間違っている。

プロにタダでモノを頼むなんて 論の弱さ

要はお金を請求するだけの事に「プロだから」って事を言い訳にしてはいけないということ。 プロだから金払え、ではなくて「無償ではやる気起きんから金払え」ってはっきり言えばいいよ。

プロに「ただでやってよ」って頼むのは全然悪い事じゃない。

よく聞くのは、「他の人は私にお金払ってるんだぞ!」みたいな話なわけですが、それってそんなに重要ですかね?

デブ専風俗でNo1とった人が、「店では私にみんな貢いでくれるのに…」とか言い出すとちょっと「えっ!?」となるじゃないですか。

若干疑問というか違和感を感じるのは、コノ、自分の商圏が世界の延長線かなにかと勘違いしている、的な所かもしれません。

時間は原価主義

そういう話をしても結局は、「対応している時間が云々」という話が出てきます。

時間を原価とかいっちゃう類の人です。

時間はあくまで媒体であって、それ自体が原価ではないです。

時間そのものの価値なんてせいぜいソシャゲのスタミナ回復させるくらいのアレしかないんですよね、きっと

時間に価値があるように見えるのは、きっとあなたがその時間をつかって誰かに別の「価値」を提供しているからなんです。

プロは相手を選んでいるだけ

プロは価値を提供できる存在です。

プロが提供できる価値は有限です。

だからプロはお客様を選びます。

プロはお金をもらって当然なわけではないです。

でもお金をくれるお客様は優先的に対応します。

お金を請求するのに「プロだから」を理由にしないこと

プロでもタダで仕事をすることはあります。もちろんそれが大きなお金になることもあります。

時間を使うから即請求が発生するというわけではないです。

自分の今の時間に金額をつけるのに、わざわざ「プロだから」って理由をつけるのはやめにしませんか?

金額をつけるのは、自分が相手を選り好みしているからなだけで、それはあなたの都合でしか無いのです。

「ただでやってほしい」といわれても、やんわり断るくらいの対応で良いんじゃないかなぁと思います。

プロにタダで仕事をお願いするなんて…の寂しさと微妙さ

「プロにタダで仕事をお願いするなんて…」の言説には何かうまく言えない物悲しさとか微妙さがあります。

先のデブ専No風俗嬢のようなアレなのかなぁと思ったりするわけですが、それ以上に大事なのは「タダで仕事するプロもいるよ」って所。

価値提供をドコに向けてするかっていう「プロとしての情熱の矛先」だけの問題です。

「プロにタダで仕事をお願いするなんて」って言葉の裏に、えらく一点集中したプロ魂のベクトルを感じてしまい、

なんかそれが一般化するのもなぁと思い、書き記した次第でございます。

美容師さんのプライベートシャンプーの気持ちよさは、プロとしての品質の高さだけではなく、 プロとしての情熱がビジネスではなく、自分自身に向いているというところの幸せ、にある、という旨のお話