わざわざ残す必要もないことを整理とか気にせずに吐き出していく。そんな空間。

PHPカンファレンス関西 2017 で 初心者向けの話をしてきた話 - 初心者向けの話と学習サイクルと

PHPカンファレンス関西 2017

最近のPHPがわからない人のための基本文法おさらい講座

運営していると毎回上がる話題として「初心者が聞きに来やすい話題を…」ということだったので話しをすることになりました。

コレも毎年の話題なんですが「初心者」って何よ?って話があります。

うちには専門学生のバイトとかもたくさんいて、みんなPHPを覚えてから1年程度では何か動くサービスを作ったり、自分なりの作品を作ったり出来るようになっているわけです。 細かい関数の知識とか、新しい文法の知識とかかけてる部分はあるものの制作経験の中で必要に応じてどんどんと新しい技術の吸収を続けていきます。

「初心者」という人の像を考えた時、多分そこには経験年数とかそういうのとは別の、「初心者が初心者たる所以」みたいなものがあるんじゃないかと思い、精神論強めの構成になりました。 「初心者に向けた話」というより「何故初心者から抜け出せないのか」の方が大事で、よく言われるような「学習コスト」とかそ言うものはまやかしだよ! 大事なのは、学習をスムーズに続けるためのサイクルだよ!的な話で結んでいます。

スライドは以下で確認できますが、PHP新機能に関する紹介は 下記 PHP 公式のサイトを参照するほうが参考になります。

初心者と 学習コストと カンファレンスと

会場で色々な人と話をして、「PHP普段は書いていないんだけど…」という人もちらほら目にしたので非常に嬉しかったです。

PHP初心者の人が PHPカンファレンス関西 に来るのは大歓迎ですし、そういう人たちにPHPと現場の変遷などを伝えるのは非常に大切なことだと思っています。

ただ 30 分という登壇時間の中で、文法講座をするのはかなりの難易度がアリますし、あの広いホールの中でコードの解説講座をするのは視覚的にもなかなか難しいと思います。 多分ほんとに初心者向けの講座とかやるのであれば、ハンズオン形式でこじんまりと…という感じでやるのが一番だと思います。

カンファレンスイベントの醍醐味は、1日を通じて様々な「キーワード」を拾えるところにあって、 明日からの開発や技術学習につながるモチベーションやきっかけなどを吸収する場所、として活用してもらう方が有意義かなぁと思っています。

今回のセッションを聞いて気になる内容やPHPの新機能などを各自 php.net などで調べてもらいながら、 PHPの新機能以外にも、関数や文字列操作などカテゴリごとの 関数一覧記事など ためになるphp.netの優良コンテンツをたくさん見つけて貰えれば、と思っています。

Google からの着地、だけでなく、トップページからどんな記事があるのか、ちょっと時間を使って眺めてみて貰えれば光栄です!

PHP: 付録 - Manual

「学び」の一歩先へ

php.net を見るにしても、コードを試すにしても時間と気力が必要です。 人はそれを「学習コスト」と呼んだりするのですが、常に変化し続けるWeb制作の現場で、新しい技術を吸収せずにいるのはどんどん「負債」になっていきます。 そういう意味で「学習コスト」というのはいつか払わなければならない税金みたいなものだと私は思っています。

残念ながらカンファレンスに参加しただけ、php.net を眺めただけ、では、たいして技術力が向上することは無いでしょう。 実際に自分の技術として身につくのは、書いて、試して、共有して、という学びの先のフェーズになります。

私は、技術顧問であったり、専門学校の講師であったりと色々教えるという立場の仕事をしていますが、 「教える」という立場の仕事においても「作る」「共有する」ということを最優先に考えています。

客先のでの現場改善で、社内技術力向上を相談されれば、 「社内で勉強会をやりましょう」「社内で新しい技術を投入できる試験プロジェクトを作りましょう」 となりますし、専門学校の講義でも座学はほとんどやらず演習と発表を行っています。

人は教わった技術、学んだ技術をすぐに忘れてしまう傾向にあるので、 100 学ぶよりも 1の実践のほうが、経験として記憶に残りやすいのではないでしょうか?

この点、カンファレンス形式のイベントと違って、ハンズオン形式のイベントでは実際にコードを書きながら手元で動かしつつ新しい技術を学べたりするので、 新しいことに挑戦するきっかけの第一歩としてはオススメだったりします。

弊社オフィスでもWeb制作界隈の初心者向けにLec Cafe というイベントを不定期開催していますので、こんなハンズオンを開催してほしい!みたいな話があれば是非ご相談貰えればと思います。

leccafe.connpass.com

実践した後は、その内容を、カンファレンスや勉強会などで共有するのがよいでしょう。 発表することで自分の経験を整理出来る上に、他者からのフィードバックなども得られて一石二鳥です。

カンファレンス的な大ホールは初めての登壇だと緊張するかもしれないので、まずは小さな勉強会などで登壇チャレンジしてみるのは如何でしょうか?

関西でPHP関連のコミュニティだと、関西PHPユーザグループや、Laravel.Osaka と言ったコミュニティが不定期に勉強会を開催していますので、 「こんな内容で喋ってみたい!」みたいな相談を出してもらえれば、さっと勉強会を企画などしてもらえると思います。

https://www.facebook.com/groups/436413099733710

laravel.connpass.com

社外の勉強会参加が難しい…という場合には、社内でまとまって定期的な学習の共有をするのも良いかと思います。 月に一度程度でよいので、何かしらの気づきや知見など社内で共有し合うというのは社内の意識向上だけではなく、 社内のコミュニケーション促進や、情報交換の活性化、ナレッジ蓄積の習慣化という意味でも、大事な意味を持ってくると思います。

社内勉強会の開催は、社外の勉強会での参加経験のある人を中心に企画するのも結構ですし、 どのようにすればいいのかわからない…何から始めれば…というケースでは、弊社でも技術顧問サービスとしてサポートアドバイスなどしていますので 何かご相談いただければ対応させてもらいます。

chatbox-inc.com

まぁとにかく、新しい技術で現場を変えていく、という流れをおこすためには、「学ぶ」の一歩先のアクションが必要不可欠です。 「学び」を現場に投下して、定着させていくための現場づくりに必要なサイクルを今一度見直して、 新しいことに次々と挑戦していける「脱初心」の心を養って貰えればと思っています。

願わくば、来年のPHPカンファレンス関西でも初心者向けセッションなど優しい内容でも良いので、 「初めての登壇に挑戦します」みたいな方と会えればいいなぁなどと思っています。